資格というのは一種の客観的なバロメーターである。
所持することで、一定の知識があることの証明にも使えるからだ。
一部の企業では、資格の有無で足切りラインを定めているところもある。
だが、俺は資格の取得に関して懐疑的だ。
なぜなら資格だけでは経験と実績の証明にはならないからだ。
新卒が就活でアピール材料に使うならまだしも、社会人ではお勧めしない。
資格を取るくらいなら、そこに関連する業界で働いたほうが早い。
実戦経験より勝る資格は存在しないのだ。
もしくは、直接稼ぐ手段を学んだほうがいいだろう。
資格さえあれば
免許系
俺は一時期資格の取得にはまっていたことがある。
「資格さえあれば俺だって…」と思っていたのだ。
俺は自衛隊を辞めてから、民間企業の就活に悪戦苦闘した。
就職そのものはできるのだが、働きやすい会社に就職できなかったのだ。
自衛隊出身とはいえ、それは利益を求める民間企業ではあまり役には立たない。
そこで、俺は資格を取得することにした。
資格を取得すれば、何もないよりはアピール材料になるだろうと考えたからだ。
当時、俺は現場作業員として働きたかったということもあり、免許系の資格をたくさん取得した。
免許系の資格は、金さえ払えば誰でも取得できたのでとても簡単だった。
- 普通MT免許
- 普通MT自動二輪免許
- 大型特殊自動車免許
- クレーン・デリック運転免許
- フォークリフト技能講習
- 玉掛け技能講習
- 危険物乙四
実際、自分の中で知識とスキルが身についているという手応えはあった。
資格という目に見える形で自分の実力が客観的に証明されるのは気分がいい。
ただ、俺は上記の資格をほぼ仕事で使っていない。
役立ったのは、せいぜい車の運転免許とフォークリフトくらいである。
知識系
資格のおかげかどうかはわからないが、比較的まともな企業に就職することはできた。
給料は多くはないが、休みが多い会社である。
お金がほしい人には最悪だが、時間を重視する俺にとっては最高な環境だった。
だが、いつまでも肉体労働ができないのも明らかだった。
確かに今はいいが、いずれ体が動かなくなることはわかっていた。
そこで俺は将来のことも考え、業界に依存しないポータブル資格も取得した。
TOEIC875点、ITパスポート、簿記3級はその代表である。
資格取得の過程において、勉強法や対策を思い出したのはいい経験だった。
社会人になると、勉強のやり方を忘れてしまう人もいる。
そういった意味では、資格取得はちょうどいいきっかけになったといえよう。
ただ、これらの資格も直接役に立つということはなかった。
そして、俺はTOEICを最後に資格の取得をやめた。
資格の現実
資格と経験は意味が違う
資格を取得することが直接メリットをもたらすわけではない。
資格はあくまでもアピール材料の一つに過ぎないからだ。
ビジネスの世界では利益を出すことが究極の目的だ。
つまり、すごい資格を持っていても、利益を出せないなら使えない人材なのである。
TOEIC990点だろうが、FP1級だろうが、司法試験合格だろうが、それは同じである。
資格はアピール材料にはなるかもしれないが、それだけでは不十分なのだ。
その資格でどうやって会社に利益をもたらせるかをプレゼンしなくてはいけない。
これができないなら、資格はただの知識で終わってしまう。
俺にはプレゼンスキル、営業スキルが圧倒的に不足していた。
要するに知識だけで行動ができない人間だったのだ。
高学歴でも挫折する社会
資格取得そのものであれば、学力が高い人は簡単にこなしてしまうだろう。
実際、学生のうちから社会人が苦労して取るような難関資格を所持している人はゴロゴロいる。
最近では17歳で司法試験に合格した高校生がニュースになっていた。
だが、資格だけでは利益を生み出すことはできない。
ビジネスの世界は勉強以上に難しい。
資格の勉強は答えが決まっているが、ビジネスは何通りもの選択肢がある。
頭がいいから成功するのであれば、難関校を卒業した人は、みんな大成功しているはずである。
だが、実際は理想と現実のギャップに打ちのめされ、競争から脱落してしまう人も多い。
自殺をする人もいれば、ニートになる人もいる。
資格だけでは役に立たないのである。
資格の先に何を考えるのか
稼ぐことが一番の目的
会社で働いている以上、綺麗事は抜きに目的はお金を稼ぐことである。
資格を取得することで自分の年収や市場価値を上げようとするのである。
だが、給料を決めるのは会社であって、当人ではない。
苦労して資格を取得しても、労力に見合わない条件が提示されることはいくらでも考えられるのだ。
組織にとって給料という人件費は、最も払いたくなコストである。
であれば、いかにして能力が高くて低賃金で働いてくれる人を集めるかが大切なのだ。
もちろん、そんな会社は潰れる運命にある。
だが、あの手この手で労働者を納得させるのが企業の仕事である。
現に労働条件の悪い企業は、今でも平然と生き残っている。
働く人がいなければ潰れるはずなのだが、実際はそうはならない。
なぜなら俺たちは簡単に変われないからだ。
たとえ悪い環境でも、長く働いていると居心地が良くなってしまうという問題もある。
資格を取るくらいなら、稼ぐ力を学べ
俺は資格を取る時間があるなら、直接稼ぐ方法を身につけたほうが現実的だと思っている。
もしくは、資格に悩む前に関連した業界で働いてしまうのがお勧めだ。
確かに資格があれば、その業界での市場価値は上がるかもしれない。
だが、それはいつまで経っても”会社の言いなり”になることを意味する。
同業他社に転職すればいいという人もいるが、それも毎回成功するわけではない。
現状の給料に満足しているのは約3割であり、残りの7割は何かしらの不満を抱えている。
それにもかかわらず転職をしないのは、転職が何かしらのリスクをはらんでいるからに他ならない。
転職サイトにはキラキラしたサクセスストーリーが書かれている。
転職サイトもビジネスでやっているので、いいことしか書かないのは当然だ。
だが、それは同時に同じくらい失敗した人もいるということだ。
であれば、転職という半ばギャンブルのためだけに資格を取得するにはお勧めしない。
そこで、俺は資格取得からブログの執筆という手段を取ることにした。
ブログを書くことで、稼ぐために必要なスキルを身につけられると考えたからだ。
ブログで身に着けられるスキル
ブログというのは単なるパソコンの日記にとどまらない。
目的次第で、大いに役立つスキルを身に着けることができる。
1. ライティングスキル
• 読者のニーズに応じた分かりやすい文章を書く力。
• 読者を引き付けるタイトルや見出しを作成するスキル。
• キーワードを意識したSEOライティング
2. マーケティングスキル
• 読者の興味やニーズをリサーチし、コンテンツに反映するスキル
• 広告運用やアフィリエイトで収益を最大化する方法を学ぶ
• SNSやメールマガジンを活用したプロモーション
3. SEO(検索エンジン最適化)
• キーワード選定や検索意図を理解し、検索順位を上げるテクニック
• 内部リンクや外部リンク戦略の実践
• 競合分析を通じて差別化を図る
4. デザイン・編集スキル
• 見やすく美しいブログデザインの構築(WordPressやテーマ編集)
• 読みやすいレイアウトや視覚的な魅力を高める画像編集スキル
5. データ分析スキル
• Google AnalyticsやSearch Consoleを使ってアクセス解析を行う
• ユーザーの行動を分析し、改善点を見つける
6. 収益化スキル
• アフィリエイトプログラムの選定と活用
• 広告収入を得るための最適な広告配置
• 商品やサービスのレビュー記事を通じたコンバージョン率向上
7. セルフブランディングスキル
• 自分の専門性や体験を発信し、独自性を確立する
• 自分を「ブランド」として育て、ファンを増やす
8. 問題解決スキル
• 記事のアクセスが伸びないときや収益化が進まないときの原因分析と解決策を模索する力
• 継続的な改善を重ねる力
9. タイムマネジメントスキル
• 限られた時間で効率的に記事を執筆し、投稿する習慣を身につける
10. 営業スキル
• 自分のブログを他の企業やメディアに売り込む力
• 自作のデジタル商品やサービス(eBook、オンラインコースなど)を販売する力
ブログというのは可能性に満ち溢れているのだ。
下手な資格を取得するより、よっぽど学習になるとも思っている。
ブログで月1万以上稼ぐ層と、会社員で年収1000万以上稼ぐ層はどちらも上位5%である。
項目 | 月1万以上のブログ | 年収1000万以上の会社員 |
---|---|---|
達成条件 | 質の高い記事投稿、SEO理解、継続的な運営 | 特定の業界(医療、金融、ITなど)で昇進 |
必要な時間 | 3〜5年以上の継続(短期成果も可能だが稀) | 10〜20年のキャリア積み上げ |
自由度 | 高い(場所・時間を問わない) | 低い(固定勤務、会社のルールに従う) |
リスク | 成果が出ない可能性がある | 昇進競争やストレス |
リターン | 時間の投資に見合ったリターンが得られる可能性大 | 基本給+ボーナス、福利厚生 |
競争率 | 低い(全員が参入できるわけではない) | 高い(限られたポジションの取り合い) |
もちろん、ただダラダラと意味もなく書くだけでは、学べることも少ない。
必ずPDCAのサイクルを何度もこなしていく必要がある。
それも嫌になるくらいの量の検証が必要だ。
まとめ
俺が資格の取得をやめた理由を語ってみた。
資格は取得までの過程で、確かに得られるものはある。
勉強法というのは社会人になっても必須のスキルだ。
だが、資格だけではただの知識に過ぎないというのも事実だ。
そして、その知識に見合った成果を決めるのは、取得した当人ではなく会社側だ。
であれば、俺は直接稼ぐスキルを身につけたほうが早いと考えた。
もちろん、資格と同じで簡単な道のりではないのは確かだ。
だが、好きなことで苦労したほうが、他人から言われたことで苦労するより100倍マシである。