視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚の五つを五感という。
俺たちはこれら五つの感覚によって外界からの情報を得て、生活している。
そして、最も記憶に定着しやすい情報は、嗅覚とされている。
つまり、香りをコントロールすることができれば、相手の印象に残りやすくなるということなのだ。
今回は香りを使いこなすスメルブランディングについて解説する。
まず結論から言えば、香水を使えということだ。
ただし、使用条件と使い所には気をつけてほしい。
香水との出会い
不快臭対策が全ての始まり
俺が香水に興味を持ったのは、元々は匂い対策であった。
俺はとにかく不快臭が嫌いだった。
- 夏場の汗
- おじさんの加齢臭
- タバコやアルコールの臭い
しかも、体臭というのは本人は自覚が無いからタチが悪い。
鼻が長い間同じ匂いを嗅いでいるため、慣れてしまっているからだ。
だが、同じおじさんでも不快臭のない人もいた。
おそらく、スメルケアを徹底している人なのだろう。
もちろん、不快臭を発していなければ、香水をつける必要はない。
だが、俺はどうせならいい香りの方がいいと香水に興味を持ち始めた。
香りというブランディング
香りはブランディングにも頻繁に利用される。
俺はいわゆるハイブランドやスーパーカーを扱う店に、お試しで行ったことがある。
もちろん、買うことなんてできないのだが、雰囲気を味わいたかったのだ。
その際、高級感のある香りが店内に広がっていたのが印象に残っている。
あれは間違いなく香りでブランディングをしている。
冒頭でも述べたように、香りというのは最も記憶に定着しやすい情報なのだ。
故に、香りをコントロールすることで、ブランドのイメージを形作ることもできるというわけだ。
考えてみれば、海外ハイブランド車は香水も出していることが多い。
最も有名なのはベンツだろう。
ちなみに、国産車は大衆に寄り添うという文化のため、香水は展開していない。
初めての香水 サムライ
俺が人生で初めて購入した香水は、サムライである。
サムライなんて日本らしい名前だが、これはフランスの香水ブランドである。
俳優のアランドロンがプロデュースした日本のサムライをイメージしたブランドだ。
購入理由は、とにかく安かったからである。
80%オフになっており、お得感を感じたのだ。
輸入品の香水というのは、セールが当たり前と思ってもいい。
正規輸入品と違い、独自のルートで仕入れた並行輸入品を使っていることが多いからである。
なので、いくらセールとなってはいても、それは特別なことではない。
チラシや店頭ディスプレイでは大々的に値引きをアピールしているが、釣られてはいけない。
そもそも、日本の香水市場は海外に比べて小さい。
セールにしないと売れないのが海外の香水なのである。
俺が購入したのは、サムライの中でも最も有名なサムライ オードトワレである。
いわゆる爽やかな香りで、不快感は全くない香りであった。
万人受けする香りであるので、初心者にはもってこいである。
上手な香水の選び方
テスターをとにかく試せ
まず、香水を買う前に、店頭のテスターで試すことを強く推奨する。
香りをボトルに閉じ込めて置いてある店は多い。
だが、ボトルの香りというのは実際とは異なることが多い。
密閉された空間の中で放置をすれば、香りも変わるのは当然だ。
毎回気になっているのだが、あれは定期的に交換しているのだろうか。
実物を試せる店は限られている。
実物を置いてしまうと、俺みたいなやつがどんどん使うからだ。
俺のおすすめは、ロフトやヨドバシ、ドラックストアの香水コーナーだ。
ここで実際に使ってみて、自分好みの香りを探してほしい。
香りは自身をブランディングする大切な要素だからだ。
日本製がおすすめ
もし香水選びに迷ったら、日本製の香水を選ぶことをおすすめする。
元から日本市場向けに開発されているので、ハズレが少ないからだ。
カジュアルシーンではライジングウェーブとラドスカイが俺のおすすめだ。
ビジネスシーンであれば、甘すぎないプラウドメンのシリーズが優秀だ。
オードトワレの香水もいいのだだが、俺のお勧めは練り香水のバームだ。
長時間ほのかな香りを保ってくれる。
海外の香水というのは、どうしても香りが強いものが多い。
香りで体臭に蓋をするという文化的な背景もあるからだ。
- カルバンクライン シーケービー
- ジャガー クラシック
- ボトコラックス ブラック
色々試したこともあったが、上手に使いこなすことはできなかった。
唯一、カルバンクラインのck-beは使いやすかったので、今も使っている。
もっとも、これらの失敗があったからこそ俺は日本製の香水にたどり着いた。
結局、いろいろ試さないと自分に合った香水というのはわからないのも事実だ。
まずはおすすめではなく、自分の好きなものを試すのが一番だ。
ほのかに香らせるのがコツ
香りというのは、自分が思っている以上に漂っている。
初心者はどうしても多くつけがちだが、これは絶対にNGだ。
まずは1プッシュから始めてほしい。
香水には強さのランクが4段階ある。
- パルファム 6〜12時間
- オードパルファム 5〜8時間
- オードトワレ 2〜5時間
- オーデコロン 1〜2時間
最もメジャーなのはオードトワレなので、まずはこれから試してほしい。
正直、オードトワレでも十分に香りは漂う。
もっとも、つけている本人にはわからないのだが。
注意事項
不快臭を消すのが先
香水を使うからには、必ず使う順番を守ってほしい。
まずスメルケアで不快臭を消すのが先だ。
そこから香水を使うのである。
これをやらないと、体臭と香水が混ざって、かえって不快臭が強くなってしまう。
- 毎日のシャワーや入浴
- デオドラントスプレーの使用
- 運動習慣で汗をかき、老廃物を排出する
- 口臭ケアも忘れずに
正直、スメルケアができていれば香水はつけなくてもいい。
しかし、香水を使うことで、より一層自分をブランディングして魅力的にできるのだ。
使用シーンを考える
香水は確かに便利なのだが、使用シーンを間違えると最悪だ。
香りによるブランディングどころか、”ただの失礼なやつ”になるからだ。
- 病院(体調が悪い人がいる)
- 葬式 (悲しみの場では不謹慎)
- 食事の席(食事の香りが台無し)
- 職場 (人によっては印象を悪くする)
こういった場所では控えた方が無難である。
自分にとってはいい香りでも、相手にとっても同じとは限らない。
であれば、余計なトラブルは避けた方がいいのだ。
香水は基本的にプライベートで楽しもう。
ビジネスシーンで使う場合、主張の少ない香りを選ぶのがベターだ。
まとめ
香水は自分をブランディングする上で、大変有効なアイテムである。
香りは最も記憶に残りやすい情報だからだ。
ただし、使い方には注意してほしい。
誤った場所で使えば、かえって逆効果になってしまうからだ。