【レビュー】廃盤モンブランは今でも使える?チープモンブランを試してみた

レビュー

筆記用具が好きな者であれば、一度は憧れるブランドが存在する。

それがドイツ生まれの高級筆記具メーカー、モンブランだ。

「筆記具界のロールスロイス」と称され、品質、デザイン、ステータスの面で唯一無二とされている。

今回は俺が所持しているビンテージモンブランについて紹介したい。

といっても、実際はチープモンブランであり、数千円で手に入る中古品だ。

外見こそモンブランではあるが、現在の高級感漂うシリーズとは全く違うモデルである。

モンブランとは?

1910年にドイツで誕生

モンブランは今でこそ世界中で有名な高級ブランドだ。

だが、元々はドイツの筆記具メーカーのいちブランドに過ぎなかった。

筆記具の会社名はシンプロ・フィラーペン・カンパニーだ。

ここが1910年に「モンブラン」というブランドを作り出す。

このモンブランという名前は、ヨーロッパ最高峰のモンブラン山から来ている。

“Mont Blanc”で”白い山”という意味である。

象徴的なホワイトスターのロゴは、高品質と卓越した技術の追求を反映しているのだ。

1924年に傑作が誕生

そして、1924年、モンブランの象徴ともいえるアイテムが誕生する。

「マイスターシュテュック」(Meisterstück、ドイツ語で『傑作』)である。

芸術品のごとき美しいゴールドペン先、本体の優れたデザインが特徴だ。

「お金があれば149を買いなさい、お金が無ければ貯めて149を買いなさい」

ここの149とは、マイスターシュテックのモデルのことだ。

ちなみに、この言葉は筆記用具好きの間で語られてきた言葉である。

著名人や公式の言葉ではない。

ただ、それくらいマイスターシュテック149はモンブランの代表的モデルなのだ。

1970年以降は、時計、香水、革製品等への多角展開を始めている。

今では総合的なラグジュアリーブランドとしての地位を確立している。

といっても、俺にとってはモンブラン=筆記具のイメージだ。

時計や香水を扱っているのは知っているが、欲しいとは思わない。

チープモンブランの特徴

安く購入できた時代

といっても、俺がもっているモンブランは、傑作のマイスターシュテックではない。

安いモデルのモンブランである。

高級筆記具の代名詞となった今では信じられないかもしれないが、モンブランも安い時があったのだ。

とりわけ、1970年~1980年代は、廉価モンブランが大量に出回っていた。

俺がメルカリで手に入れたのも、そんなモデルの一つである。

購入価格は中古で2000円であった。

しかも、ペンケース付きである。

もちろん、現在のモンブランはそんな安くは手に入らない。

一番安いPIXシリーズでも4万円はする。

マイスターシュテックやスターウォーカーシリーズとなれば、最低でも7万円ほどだ。

コピー品も非常に多く出回っているという問題もある。

ラグジュアリー感はほぼ無い

ブランドロゴのホワイトスターこそは健在している。

だが、分解してみれば素材感はよくある普通のプラスチックボールペンだ。

黒と金色の装飾とは裏腹に、重さも非常に軽い。

そこに高級感は全くない。

ホワイトスターのロゴが無ければ、安物筆記具と思われてもおかしくないだろう。

実際、当時の値段も一本数千円程度だったという。

万年筆、ボールペン、シャーペンの3本にペンケースがついたギフトセットもあったくらいだ。

もはやラグジュアリーブランドのイメージを壊すレベルである。

装飾部にはGERMANYの文字が彫られている。

当然、現在のモンブラン公式サイトに情報は載っていない。

ただ、腐ってもモンブランということもあり、ネットでは中古が盛んに取引されている。

俺みたいな安いモンブランを味わいたい人には需要があるのだろう。

ハンマートリガー機構

チープモンブランには面白い特徴がある。

ハンマートリガー機構という珍しい方式が採用されていることだ。

トリガーを指で押し上げることで、ペン先が収納されるのである。

これは手帳やシャツのポケット等に挟んだ際、ペン先をしまい忘れることを防止する仕組みだ。

実際、俺も何度がワイシャツの胸ポケットを汚してしまったことがある。

もちろん、何かに挟まずに直接収納するとハンマートリガーは機能しない。

それでもユニークな機構なことに違いはない。

通常の「プッシュ式ノック機構」とは一味違ったボールペンである。

使用感と実用性

書き心地

俺はこのチープモンブランを普段使いしていない。

ペン本体が軽すぎる上に、長さも若干短い。

個人的には、重たい筆記具のほうが高級感があるイメージである。

これはべつにモンブランというより、俺自身の問題だ。

仕事柄、字を書くという機会が少ないのだ。

どちらかといえば、タイピングのほうが圧倒的に多い。

メモ程度をすることはあるが、その際にわざわざモンブランを使いたいとは思わない。

いつも使っている普段使いのボールペンで十分である。

ただ、ボールペンの替え芯自体は、非常に良い出来だと評判だ。

アマゾンのレビューでも、高評価が目白押しだ。

  • モンブランならではの上品な発色
  • 耐水・耐光性に優れている
  • モンブランオーナーに最高水準の「書く喜び」を
  • 正式な文書へのサインに使用できます

確かに書いていて悪くはないと思う。

書き心地にこだわる人は、選んでみてもいいかもしれない。

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替え芯について

チープモンブランの場合、中の替え芯を交換する必要があった。

だが、ラグジュアリーブランドのモンブランは替え芯代も高い。

俺はヨドバシで購入したが、二本入って2000円を払っている。

替え芯は安っぽいプラスチック袋ではなく、高級感のあるケースが特徴だ。

中古のモンブランを2000円で購入して、替え芯1本で1000円というのも変な話である。

なお、チープモンブランで使うには、替え芯の上にアタッチメントを取り付ける必要がある。

古い規格のために、長さが合わないからだ。

魅せる時には使う

ただ、普段は字をあまり書かない俺も、モンブランを使う時はある。

それは、魅せるときや重要な署名の時である。

いつもとは違う特別な筆記具を使うことで、特別感を味わうためだ。

自分を魅力的に魅せる演出のために使うこともある。

簡単に言えば、他人からよく思われたいということだ。

チープモンブランとはいえ、モンブランはモンブランだからだ。

時計、レザーバッグ、ジュエリー、サングラス等と似たような感じだ。

ただし、ハイブランドをこれ見よがしに見せつけるのは、成金アピールになるだけだ。

ブランドの存在感が喧嘩して、コーデの観点からもよろしくない。

あくまでも一点に絞ったほうがいいだろう。

もちろん、詐欺師が愛用する筆記具の代名詞でもあることも忘れてはいけない。

「成功したビジネスマン」を装う場合、モンブランほど「自分を飾れる道具」は存在しないからだ。

もっとも、それが偽物、盗品、中古かどうかは不明だ。

所持しているアイテムと、所有主の魅力は比例しない。

「何を所持しているかはわかっても、どうやって入手したかはわからない」

まとめ

チープモンブランについて語ってみた。

正直、モンブランは機能性よりも見た目のラグジュアリー感を重視したブランドだ。

筆記具の観点で言えば、国産ブランドで1000円も払えば、それなりのものは手に入る。

それでもモンブラン人気が根強いのは、その知名度ゆえの憧れからだろう。

価格や機能性を捨ててでも欲しくなるのは、ブランドそのものに魅力があるからだ。

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