【コラム】退職代行を選ぶ理由:それ、本当にあなたのせいですか?

コラム

「根性がない」、「仕事を甘く見ている」、「どんな仕事も続かない」

退職代行サービスを利用する人に、世の中の風当たりは強い。

確かに仕事は簡単なものでは無く、辛いことも多い。

だが、俺はそれでも代行サービスの利用をお勧めする。

というのも、代行サービスの使用を考えている時点で精神的にかなり追い詰められているからだ。

冷静な判断ができない状態では、正しい選択はくだせない。

そんな状況でキャリアや転職活動というのは無理がある。

退職代行サービスは恥ずかしいものでも何でもない。

むしろ、追い詰められた人が新しい一歩を踏み出す大きなチャンスである。

退職を伝える難しさ

仕事をやめるのは簡単ではない

仕事をやめることは簡単ではない。

真面目な人ほどこの傾向は当てはまる。

俺は過去に10回以上転職を繰り返している。

キャリアアップであれば、退職はさして問題にはならない。

いわゆる円満退職というやつである。

だが、そうはいかない退職も多い。

  • 根性がない
  • どこに行っても続かない
  • 何しに来たの?
  • 黙れ

いろいろな言葉を言われた。

平気で暴言を吐く上司もいたし、威圧的な態度で脅してくる人もいた。

俺は退職代行サービスを使ったことは無いが、それでも使いたくなる人の気持ちは痛いほどわかる。

仕事をやめた経験談

俺はガソリンスタンドとベンチャー総合職で働いていた際は、まともな退職をしていない。

GS勤務時代は、上司と大喧嘩になった。

求人票に書かれていた仕事内容と、あまりに勤務実態がかけ離れていたからだ。

改善を低姿勢でお願いしたが、当然聞く耳は持たれない。

そこで、俺は離職を申し出たのだ。

その結果、数々の暴言を浴びせられた。

「お前はどこの仕事でも通用しない」

ボイスレコーダーで録音していたが、この時は本当に嫌な気分だった。

ベンチャー総合職時代に至っては、いわゆる無視を決め込んだ。

まともでない人間は、相手にするだけ無駄だと経験則でわかっていたからだ。

その結果、話は上司を飛び越して社長まで波及する。

俺は社長から直接怒鳴られたが、それでも退職して良かったと思っている。

俺はべつに最初から辞めますと言ったわけではない。

あくまでも「なんとかならないのですか」と改善を求めはした。

だが、入社して1年も経っていない人間のために、誰も時間を割こうとは思わない。

適当にごまかされてうやむやにされるのがお決まりだった。

であれば、こちらも相応の手段に出るだけの話なのだ。

だが、いずれにせよ不満がある状態での退職というのは、嫌な気分になることが多い。

俺なんかはまだマシな方だ。

世の中にはもっと辛い環境で我慢している人はいくらでもいるだろう。

代行サービスを使いたくなる気持ちもよくわかる。

追い詰められると冷静な判断ができない

冷静な判断ができなくなることが、俺は何よりも怖いと思っている。

急な退職という行為に対して、多くの人は不満を抱く。

単純に人手が減るのは嫌だし、無責任だとも思うだろう。

だが、その人の気持ちは当人しかわからない。

冷静に考えれば、後先を考えない退職というのはリスクがある。

特に収入源や次の就職先は深刻な問題だ。

思ったよりも就活が上手くいかないというのは普通に考えられる。

すると、焦りが生じて、またミスマッチな会社に入ってしまう可能性もある。

だが、そんな危険を冒してでも退職したいということは、そうとう追い詰められている状態だ。

下手をするとうつ病や自殺の可能性もある。

であれば、まずは退職をして心身の健康を取り戻すのが一番なのである。

健康で生きてさえいれば、いくらでも可能性はある。

冷静さを欠いた状態では、何をしでかすかわからない。

退職代行サービスのメリット

複雑な手続きを代行

退職代行サービスを使うことで、面倒な手続きは全て会社が代行してくれる。

  1. 公式ラインやメールで依頼内容を相談
  2. 勤務先の連絡先、希望退職日を記載
  3. 料金を支払う
  4. 代行会社が会社に連絡

職場との直接交渉は一切いらない。

面倒なことを全て代行会社がやってくれるのだ。

代行会社はプロなので、何の心配もいらない。

その空いた時間で、新生活に向けた準備をすればいいのだ。

もう職場に行く必要もないし、上司と話す必要もない。

はっきり言うが、代行サービスが使われる時点で、会社の経営状況に問題があるのは明らかだ。

サービスというのは需要があるから使われるのである。

本来は問題を放置している会社の責任なのに、当人の責任としている時点で異常なのだ。

そんな会社がつぶれないのは、そこで渋々働く人がいるからに他ならない。

代行サービスの使用には、なんの後ろめたさも感じる必要はない。

引き止められない

「一回落ち着いて話し合おう」

引き留めはどんな会社でも必ず発生する。

もちろん、本当に当人のことを考えての引き留めではない。

会社のために引き留めをするのである。

安い人件費で使える駒を失うのが不利益だから、引き留めをするのだ。

新たに人手を募集するのが面倒というのもある。

引き留めで使われる言葉というのはほぼ嘘であると思ってほしい。

仕事をやめたい人というのは、心理的に辛い状況に置かれていることが多い。

仕事のプレッシャー、ノルマ、人間関係、さまざまなことがあるだろう。

こんな時に優しい言葉をかけられると、人間の心は簡単に傾いてしまうのだ。

たとえ嫌いな人であっても、気持ちが揺らいでしまうこともある。

相手もこの心理を熟知しているため、引き留め時には必ず悪用する。

なので、決意を変えないためにも代行サービスを利用するのがいいのだ。

法的なサポートもある

退職代行サービスは、運営元によっては法的なサポートも充実している。

特に弁護士への退職代行以来は、とても心強い。

相場は5万円から10万円と高めだが、その分の安心感はあるだろう。

中でも損害賠償請求リスクを回避できるのは大きい。

追い詰められるくらい悪質な企業というのは、法律やルールを破ることに抵抗が無い。

労働者の権利なんてものは、当然のように無視をする。

とりわけ暴力、暴言、オラオラ、体育会系、ガテン系の会社はその傾向が強い。

会社の言いなりとなる社労士や弁護士を雇うことで、自分たちに有利な状況を作り出すのだ。

都合の悪いことは、すべて嘘と威圧的な態度でねじ伏せる。

会社というのは誰でも簡単に作ることはできる。

仮に犯罪者や暴力団だとしても、設立することは可能だ。

真面目な人ほど、早く仕事をやめたいという気持ちから承諾してしまうだろう。

弁護士が運営元の退職代行サービスを使えば、このような事態も回避できるのだ。

よくある批判

直接交渉すべき

まず、直接交渉をするのは絶対に避けるべきだ。

相手は人の話を聞く耳を持たない人間だ。

つまり、コミュニケーションが成立しないのだ。

代行サービスを使いたくなるほど追い詰める会社というのは、まともではない。

彼らには法律やルールといった常識は一切通用しない。

威圧的な態度や言葉の暴力、数の暴力で黙らされるだけだ。

そもそも会話にすらならないのである。

であれば、こちらが相手と同じ土俵に立つ理由は無い。

相手がルールを破るのであれば、こちらもそれなりの手段を講じればいいのである。

その手段として退職代行サービスが存在するのだ。

どこにいっても通用しない

これは真っ赤な嘘である。

”上司が知っている世界”では通用しないの間違いである。

世の中には数えきれないほどの仕事が存在している。

そして、その全てを経験するのは、まず無理である。

ということは、上司が知らない世界の仕事も必ずあるのだ。

そこで働いたことが無いのに、「お前は通用しない」と決めつけるのは無理がある。

実際、人には必ず何かしらの取り柄がある。

向き不向きが存在する以上、やってみなくてはわからないのだ。

実際、俺もガソリンスタンドの仕事は無理だったが、現在の仕事は長く続いている。

当時俺に罵声を浴びせた上司は、今の俺がやっている仕事を知らないだけなのだ。

忘れてはいけないこと

料金体系を確認

退職代行サービスは決して安い価格ではない。

民間企業、労働組合、弁護士と運営元があるが、価格は1万円から10万円ほどと幅が広い。

その分のお金を払う価値があるか、本当によく考えてほしい。

実際、間をとって5万円あるとすれば、好きなことがたくさんできる。

欲しいものも買えるし、新生活に向けた準備もできる。

今まで心にゆとりが無くて考えられなかったことも楽しめる。

もし、少しだけ心に余裕があるのなら、代行サービス以外の手段を考えるのもいいかもしれない。

もちろん、追い詰められている人にとっては、お金を払うだけで解決ほど楽なものはない。

俺も退職に伴って嫌な思いはしたので、気持ちは痛いほどよくわかる。

その後の人生を考える

その後の人生を考えるのを忘れてはいけない。

辞めたその時は、確かに救われた気持ちになるだろう。

気持ちの整理ができるまでは、ゆっくりと休んでほしい。

だが、冷静になったら動き出さなくてはいけない。

生きていくためには収入が必要であり、稼ぎ方を考える必要がある。

さもなくば、生活保護になるという道が待っている。

俺のお勧めは、自分にとっての優先順位を決めることだ。

休みが多くて給料も高い会社なら、最高だろう。

だが、そういった条件のいい会社に入れるのは、一部の優秀な人のみだ。

俺の場合、給料は置いといて、自分の時間が作りやすい会社に入ることをお勧めする。

それこそ、最初はアルバイトでも構わない。

そこでの体験を通して、自分に自信をつけるのはとても大切なことだ。

自分の時間を確保することができれば、気持ちにはゆとりができる。

そこからは、自分の進みたい方向に適したスキルや経験を身に着ければいいのだ。

まとめ

退職代行サービスについて語ってみた。

代行サービスを使いたくなるほど追い詰める企業というのは、まともな会社ではない。

法律やルールも平気で破るので、正面から相手をしても無駄である。

その場合、退職代行サービスは強い味方となるのである。

ただ、ゆっくり休んだ後は、必ず今後のライフプランについて考えてほしい。

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