【失敗談】靴の転売 初めての副業

失敗談

副業はなかなか成果が出るものではない。

かけた時間に対して、得られるリターンが割に合わないことが多いからだ。

今回は俺が初めてやった副業である靴の転売について解説したい。

結論から言えば、靴の転売はそこまで儲けがでるビジネスではない。

不良在庫コスト、商品の大きさ、使用サイクルの長さ等の問題があるからだ。

ただ、ビジネスの基礎感覚を味わうという意味では、転売をやってみるのはおすすめである。

靴の転売

革靴の転売を始めた理由

俺が転売を始めたのは、コロナによる影響が大きい。

当時働いていた職場は、幸いなことにコロナの影響は受けなかった。

なので、収入や休みは全く変わっていない。

ただ、他の業界、とりわけ対面サービス、飲食、旅行業界、宿泊業等は大きな影響を受けていた。

コロナの影響で、多くの仕事が変化を余儀なくされている現実を目の当たりにした。

俺の職場は大丈夫だったけど、世の中いつ何が起きるかわからない。

会社だけに収入を依存せず、自分でも稼いでみたいと思ったのだ。

そこで、副業として革靴の転売をメルカリで始めることにした。

リサイクルショップが仕入れ先

俺が革靴の転売を決めた理由は、リサイクルショップが近所にあったからだ。

名の知れたブランドの靴が安く売っており、これなら利益を出せるかもしれないと思ったのだ。

ちなみに主な仕入れ先はブックオフだ。

もちろん、その時はファッションが好きだったという理由もある。

最悪、売れなくても自分で使えばいいとも考えていた。

利益14000円、ビギナーズラック

初めて大きな利益が出たのは、スコッチグレイン という日本製の革靴だ。

リーガルより高価格で、相場は3万から5万はするいわゆるブランド品の靴だ。

そんなスコッチグレイン が、まさかの2000円で売られていたのである。

最も需要のある黒色のストレートチップで、状態も良好だ。

唯一の問題は、サイズが30とビッグサイズだったくらいである。

ビッグサイズ故に需要がないと思われたのか、店員がタグをつけ間違えたのか真相はわからない。

ノーブランドコーナーに雑に置かれていたので、おそらくはタグのつけ間違いだとは思うが…

ただ、俺はその靴を2000円で購入し、19000円でメルカリで販売した。

手数料1,900円、送料1000円、靴の仕入れ値2000円を含めても約14000円ほどは得した計算になる。

靴一足売るだけで14000円の利益を取れるなら、こんなに美味しいビジネスはない。

この時は本当に嬉しかったし、自分で稼ぐ感覚を体験できた瞬間だった。

ただ、もちろんこれはいくつもの偶然が生み出した結果であり、再現性はない。

基本は利益が1000円や2000円くらいの商品が続くことになる。

たまにではあるが、利益4000円くらいが出せるときもあった。

体感ではあるが、小さな利益というのは大衆が好む無難な靴から出ていた。

これは頻繁に売れはするが、利益は少ない。

対して、大きな利益というのは、一部に需要があるデザインが特徴的な靴から出ていた。

あまり売れはしないが、売れた際の利益は大きい。

革靴に詳しくなる

転売をしていると、嫌でもよく売れるアイテムを調べるようになる。

不良在庫は作りたくないので、当然である。

  • サイズは男性の場合27.0前後が一番需要がある
  • 黒色は安定的に売れるのでおすすめ
  • リーガル、スコッチグレイン 、コールハーンは人気
  • 中古革靴の相場感

色々なブランドの知識を身につけたので、これは面白かった。

どの副業においても言えることだが、実戦経験より勝るものは存在しない。

確かに事前の勉強や知識は役に立つが、それは実務が伴わないと活かしきれない。

  1. まずやってみる
  2. わからないことが出てくる
  3. 調べてみる
  4. またやってみる

結局はこのサイクルの繰り返しで、経験と知識が身についていくと思った。

直面した問題点

不良在庫と凍結資金

不良在庫、つまり売れない商品の存在が何よりもつらかった。

確かに売れる商品もあったのだが、それと同じくらい売れない商品も仕入れていたからだ。

売れない商品が増えてくると、スペースを圧迫し始める。

当時は実家に暮らしていたのだが、部屋の中が靴だらけになってしまったのはよく覚えている。

  • 家のスペースを圧迫する
  • 売れないと次の靴の購入費用に回せない
  • 商品説明、写真、梱包、発送手続きが毎回面倒

もちろん、安くすれば売れはする。

だが、それでは苦労に見合わないどころか、赤字になってしまうのだ。

しかし、いつまでも不良在庫を置いておくわけにはいかない。

結局、それらは在庫一掃のために投げ売り価格で処分してしまった。

いつかは売れたかもしれないが、それまで待ち続けるのは得策とは思えなかったからだ。

そのため、最終的には少しの赤字と転売の経験だけが残った。

再現性の無い仕入れの問題

仕入れに関しても問題があった。

リサイクルショップを使う以上、往復の交通費やガソリン代はかかってしまう。

俺の場合、まさかの自転車で仕入れを行っていた。

だが、売れる靴というのは毎回見つかるものではない。

自分が仕入れればアイテムは無くなってしまい、いつ補充されるかもわからない。

ライバルも同じことを考えているので、そもそも見つからないことも多い。

その結果、やたら時間だけを浪費して、何も仕入れられないこともよくあった。

一時はネット仕入れ、つまりメルカリ、ラクマ、イーベイ等のサイトから仕入れて、それを横流しすることも考えた。

しかし、単純に横流しするだけで利益を得られるほど転売は甘くはない。

いつまでも仕入れ先のライバルに負け続けることになるからだ。

その結果、売れる靴を仕入れることはできなくなってしまった。

アイテムだけでは売れない

加えて、たとえ良いアイテムがあったとしても、それだけでは売れないということもわかった。

というのも、俺は営業活動をしていなかったからだ。

営業をしなければ商品の存在は知られることは無い。

商品を売っていたのは、メルカリという他人の看板を借りた場所だ。

当然、そこにはライバルもたくさんいる。

  • まるで公式サイト並みの綺麗な写真
  • 丁寧な商品説明や使用感の解説
  • セールやキャンペーン等の仕組み
  • 独自の仕入れ先で圧倒的な安値

いったいどうやったら新品並みのアイテムを、こんなに安く仕入れられるのか何度も考えさせられた。

おそらく、個人ではなく業者単位で行っている人たちもいたのかもしれない。

価格だけで勝負をしている限り、こういった人たちには永遠に勝てない。

何かしらの付加価値をつけたとしても、それはプロならみんなやっていることだ。

単に商品を横流しするだけで稼げるほど、転売は甘くないことを痛感させられた。

学んだこと

在庫は抱えない

物理的に大量の在庫を抱えるビジネスは素人には難しいということが分かった。

というのも、転売は仕入れた商品が売れないと、次の商品を仕入れることができないからだ。

もし仕入れてばかりだと、大量の在庫を抱えることになる。

そして、在庫を抱えている以上、その仕入れ資金は止まったままになってしまう。

であれば、最初から在庫を抱えない無形商材ビジネスの方がいいのである。

なお、小さくて価値のあるものなら、まだわかる。

時計やカード等なら、比較的場所の占有も小さくて済むからだ。

だが、同じく不良在庫リスクはあるし、同じことを考える参入者が多い分、偽物も多くなってしまう。

初期投資額は少なくする

金にものを言わせてスタートダッシュを切るやり方もおすすめしない。

そもそも個人が大金を投入するのはリスクがある。

大金を使うこととビジネスが成功することはイコールではない。

もちろん、億単位になれば違うかもしれないが、一般人には非現実的な話だ。

詐欺師のターゲットになる可能性も増えるので、お金で解決する方法はやめたほうがいい。

たとえ大金を使っても、楽に稼げる方法など存在しないからだ。

一部例外はあるかもしれないが、そんな美味しい話は庶民には降ってこない。

無駄にお金だけ使っておわる可能性も十分にあるので、初期投資額は少ないもので始めた方がいい。

そうなると、パソコンでできるビジネスというのが一番個人でやる分には理想的だと考えさせられた。

そして、お金ではなく時間をかけて継続するのが何より成功の近道だと思った。

数字のデータを管理記録する

ビジネスで行う以上、数字の記録はしっかりつけたほうがいい。

俺もエクセルで利益の目安表というのは作っていた。

仕入れ値を入力することで、おおよその利益を割り出せるようにしたのだ。

「この種類の靴はいくら以下で仕入れれば利益が出せる」と判断できるようになるからだ。

一回シートを作ってしまえば、何度も使いまわしができるので、お勧めのやり方である。

正直、最初の設定は面倒に感じるが、一度完成してしまえば楽ができる。

やはり数字で分析するというのは大切で、何より客観的なアドバイスになる。

まとめ

俺の初めての副業である靴の転売についてまとめてみた。

結果からすれば赤字で終わり、残ったのは経験だけであった。

ただ、やはりビジネスの基礎を学べたのは非常に大きかった。

失敗したくない気持ちはわかるが、人は失敗をしないと学ぶことはしない。

それに、失敗は「現時点の自分」ではできないことに挑戦しているという意味でもある。

将来の成功のための布石と思えばいいだけだ。

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