【コラム】”+”からの着信は折り返すな!国際ワン切り詐欺の実態

コラム

着信履歴が○件あります

スマホにこんな画面が表示されると、ついつい気になってしまうものだ。

「いったい誰からの電話だろう?」

だが、この心理を巧みに使った詐欺が世の中には存在する。

それが、ワン切り国際電話詐欺である。

実質詐欺行為であるにも関わらず、検挙は難しいという大変迷惑な存在だ。

今回はそんなワン切り国際電話詐欺について解説する。

結論から言えば、知らない電話には出ない、折り返さないのが鉄則だ。

これは営業電話や詐欺師からの電話にも効果的だ。

知らない相手から重要な連絡が来ることはまずない

迷惑な海外電話

知らない番号からの着信

最近、俺のスマホには立て続けに知らない番号から電話がかかってくる。

もちろん、全て詐欺電話である。

  • +1814******** アメリカペンシルバニア州北西部から
  • +1815******** アメリカイリノイ州から
  • +1844******** アメリカもしくはカナダのフリーダイヤルから

こんな感じの電話番号で、全て冒頭に+マークがついているのが特徴だ。

最初の+マークは国際電話番号を意味するのものだ。

一般人にとっては、この+マークが出てきた時点で、詐欺や迷惑電話である可能性は極めて高くなる。

そして、次の1は国番号を示すものだ。

1はアメリカまたはカナダからの電話であることを示す番号だ。

ちなみに、日本の場合は81番が割り振られている。

そして、国番号の後にはエリアコード、電話番号が続くというわけだ。

ワン切り国際電話詐欺

海外から連絡がかかってくるのは、ワン切り国際電話詐欺という実質犯罪行為のためだ。

犯罪者は”国際電話の高額な通話料”という仕組みに着目しているのだ。

相手が電話に出ると、通話料の高いプレミアム番号に切り替えられる。

そして、通話をしている限り高額な料金が発生し続けるのである。

  • アフリカ諸国
  • カリブ海諸国
  • アジアの一部の国々

こういった国々からの国際電話では、1分間に数百円やそれ以上という通話料が普通に発生する。

仕組みは以下のとおりである

  1. 通話料が高い地域から電話をかけ、着信履歴を残す
  2. 相手に折り返し電話をさせる
  3. 詐欺グループが設定した高額な料金が適用されるプレミアム番号に転送、自動接続させられる
  4. 電話を長引かせるほど収益が増える(自動音声、プレゼントの当選、問題の発生等の言葉で)

そのため、とにかく相手に折り返しをしてもらうため、着信履歴を残しまくるのだ。

これがワン切り国際電話詐欺の実態である。

詐欺グループと事業者の契約

なぜ電話をかけるだけで利益になるのか疑問に思うかもしれない。

通話サービス事業者が儲かるのはまだわかる。

彼らが構築したサービスだから当然のことだろう。

だが、サービスを使っているだけの詐欺グループも儲かるのは不思議に思わないだろうか。

それは、詐欺グループと事業者間に特定の契約が結ばれているからだ。

例えば、通話料金が1分で1000円だとする。

そのうち700円を詐欺グループ、残りを事業者が得るという仕組みがあるのだ。

詐欺グループからすればお金を得られ、事業者からすれば自分たちのサービスを使ってくれる。

両者にはWIN-WINの関係が成り立つのである。

どんなにいいサービスを作っても、利用してくれる人がいなければビジネスは成り立たない。

事業者はサービスをつかってくれるのであれば、相手を選ぶ必要はない。

たとえ犯罪者でも、そんなのは関係ないのだ。

電話しか使わない=何かしら問題がある

重要な案件はメールもする

重要な内容だったらどうしようと思う人もいるかもしれない。

だが、そんな心配は不要である。

まず、重要な案件は電話ではなくメールを使うのが鉄則だ。

メールは相手の都合に左右されずに送ることができるからだ。

また、文字である以上誤解も少なく、情報共有も素早く行える。

後で再確認する際も記録が残っているので便利だ。

だが電話の場合、そもそも相手とこちらの都合がつかなければ会話をすることすらできない。

しかも、会話内容は残されないため、後で”言った言わない”の問題にもなりやすい。

裏を返せば、責任や証拠を嫌う人にとって、電話ほど都合のいいサービスは無いのである。

俺が出会った詐欺師も、常に電話を使っており、メールやラインといったものは避けていた。

重要な連絡というのは電話だけではまず来ない。

仮に来たとしても、必ずメールでのサポートがある。

メールが使えないような会社は避けるべき

話は少しずれるが、もし本当に重要な連絡先だったらどうしようと思うかもしれない。

例えば、就活時の連絡もそうである。

「もし電話に出られなかったら不採用になるかも」と焦る気持ちもあるだろう。

だが、そんな会社には就職しないほうがいい。

中にはメールが使えない組織や企業というのがいまだに存在する。

中小企業や古い体質の企業では、メールでなく電話でのやりとりを好む会社も存在する。

昔ながらの慣れたやり方から抜け出したくないのだ。

だが、そのアプローチは現代のビジネス環境には適していない。

  • 業務効率の低さ
  • 外部とのコミュニケーションに閉鎖的
  • 情報発信の不透明さ

こういった問題があるからだ。

仮にそんな会社で働いたところで、キャリアアップができるとは到底思えない。

こちらから願い下げである。

対処法

犯罪を証明するのはできない

納得できないかもしれないが、この手の詐欺を立証するのはほぼ不可能である。

内容こそ詐欺に近いが、実態はただ電話をかけているだけだからである。

  • 通話内容そのものを詐欺的だと証明することはできない
  • 発信元と着信元が異なる法的管轄のため、規制が難しい
  • 通信事業者にとってはビジネスの仕組みにすぎない

そのため、ワン切り国際電話詐欺は今後も無くなることは無い。

知らない番号は絶対に出ない

最も効果的なのは、知らない番号は無視をするということだ。

相手からの折り返しが無ければ、この詐欺は機能しない。

これはメール等でのフィッシング詐欺でも同じことである。

一度でも折り返せば、その連絡先は詐欺グループで共有されてしまう。

詐欺に引っかかりやすい番号リストは重宝されるためだ。

番号を調べる

不安な場合、連絡先を調べてみることも有効だ。

  • 詐欺師
  • 営業電話(テレビ、回線、スマホキャリア、不動産等の)

だいたいはこの2パターンにたどり着くはずである。

俺も最初は不安で、ネットで番号を調べたりしていた。

だが、慣れてくると番号を見ただけで詐欺師かどうかがわかるようになる。

もちろん慢心は良くないが、知っているのと知らないのとでは、気持ちの余裕もだいぶ違う。

まとめ

ワン切り国際電話詐欺について語ってみた。

実態は詐欺かもしれないが、これらの犯罪を規制するのは実質的に不可能である。

法の目をうまくかいくぐっているからだ。

いわゆるやったもの勝ちの状態なのだ。

であれば、自分自身で防衛をするしかない。

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